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運動頻度について考える

2022.08.16 健康資産づくり

Yasuです。

運動の頻度については、

  • 1回あたりの時間
  • 運動の強度
  • 何を行うか(運動の内容)

が関係するので、簡単に「こうだ」とは言えません。1回あたり5分の運動でも毎日行えばそれなりの効果があります。ただし5分だと行う内容が限られるので、「効果はそれなり」です。

どんな頻度であっても「何もやらないよりはまし」。そして多すぎることを除けば、「多い方がよい」。運動の頻度について考えるとき、試験で100点を取るような考えは持たず、今やれることを割り切って行うことも必要です。

今回は、みなさんがスタジオで行っている60分のトレーニングに絞って、運動頻度について考えを整理したいと思います。

「今より健康になりたい」が前提

トレーニングの目的は、「今よりも健康に」「何かを改善していく」ことが前提です。改善する「何か」は人によって違います。筋肉や関節の柔軟性、引き締まった身体、ゴルフのスコアなど様々です。

わたしたちは加齢で身体の機能が落ちる運命にいるため、「現状維持」という考えはありません。トレーニングの目的は加齢に負けないと言い換えても良いと思います。

どんな目標でも良いので、「どうなりたいか」「どうありたいか」を具体的に言語化して持っておくことは、とても大事です。

トレーニングの効果は2週間説

ハッチンソン(2012)は、トレーニングの持続効果について行われた世界中の研究を紹介しています。被験者の運動経歴や強度などの条件によって持続効果は変わるようですが、2週間で減退しはじめるという説を紹介しています。

この説によれば、2週に1回しか運動を行わないのであれば現状維持。それよりも頻度が低いと、運動することの積み上げが効いていないということになります。

「健康資産を運動によって蓄積しましょう」という考えに沿って言えば、月1回程度の運動はエネルギーの「消費」にしかならず、週1からそれ以上の頻度でやっと「投資」とか「貯蓄」になると捉えることができます。

だからと言って、月1程度の運動さえ止めてしまうと、ますますヤバいことに。いろいろな理由があって運動頻度が上がらない方は、まずはその習慣を維持しつつ、どうしたら運動の頻度を上げられるかを考えていくと良いと思います。

筋肉の回復期間から考える最適な運動頻度は週2~3

トレーニングによって破壊される筋肉の回復期間は2~3日かかると言われています。その点で言えば、週2~3回の頻度で行うトレーニングは、効果が最大になると考えることができます。

ハードに鍛えている人は、上半身を鍛える日と下半身を鍛える日に分け、毎日行う場合もあるくらいです。

生活に馴染みやすい週1回の頻度

わたしたちのほとんどはプロアスリートではないし、何かの競技にすべてを注いでいる訳ではありません。仕事や家事があり、限られた時間をいろいろなことに振り分けないといけません。週2回のトレーニングは理想だけれども現実的に難しいという方は多いと思います。

そう考えると、週1回のトレーニングを継続することは合理的です。週単位で生活を管理する考え方は実践しやすく、週1でスタジオに通うというのは生活に良いリズムを生み出します。

僕の実体験

僕はマラソンが趣味で、毎年1~4月にハーフマラソンの大会に出るのが定番の過ごし方でした。(現在は、大会への参加はお休み。)しかし、真夏はほとんど練習せず、9~12月に仕上げていくというパターンを繰り返していました。

なぜかマラソンシーズンが終わる4月のレースで気持ちが燃え尽きてしまい、しばらく休みたくなってしまうのです。その練習しない状態から、20~30キロをそれなりのパフォーマンスにしていくのは大変な作業でした。しかし、この作業の中で、自分の場合の最適な運動頻度というのが分かってきたのです。

練習では、1キロあたりのタイムと走行距離を記録します。トレーニングが効果的なときは、1キロあたりのタイムが落ちずに長い距離を安定して走ることができます。

僕の場合、週2~3回練習できたときが最も仕上がりが早く、週1だとゆっくりと仕上がっていく感じでした。まだその頃は、トレーニングの理論も知らない状態でしたから、いわゆるプラセボ効果のような知識に左右された訳ではありません。

一方、週1の練習もできないときは、「走ること自体が辛い」「タイムを上げるどころではない」という状態でした。週2~3回の頻度は効果的、週1回はゆっくり向上、2週に1回だと現状維持という説は、僕の実体験と一致するようです。

個人差

ヒトの身体や反応は個人によってさまざまなので、いろいろな研究結果というのは平均的な話でしかありません。なので、稀に月1回の運動でも効果的という人もいるでしょう。

しかし、みんな年を重ねていくと、身体の変化もまた個人差をともなって訪れてきます。したがって、平均的な話に耳を傾けつつ、自分の生活習慣を見直すことは大事だと思います。

自分にとってのベンチマークを持とう

ベンチマークとは、指標のことです。どんな頻度で運動をしたら良いかを何かの指標で測ることができると、「今週は調子がいま一つなのは運動が足りていないかも」「レッスンが1週空いてしまったから来週は何とか予定をやり繰りしよう」という判断がやりやすくなります。

指標と言っても数値化する必要はなく、「階段の上り下りのやりやすさ」とか「仕事で座っていて背骨を自分の筋力で支えられているか」という感覚的・主観的なものでも良いです。

指標を持つことで、自分にとっての理想的なペースが分かってきます。また、年齢や季節によってそのペースが変わることも知ることができます。

こころの調子が悪いときは

なお、今回の話は、心身ともにまあまあ健康な人のケースです。「疲れている」「精神的に弱っている」などの場合、運動がそれを助けてくれる場合もありますが、週に何回という考えそのものが気持ちを苦しめてしまうこともあります。なので、まずは心の状態を回復させることを優先しましょう。

人生における優先順位

週1回の運動が確保できない方の多くに、「仕事が忙しすぎる」という声を聞きます。僕も昔は能力主義の会社で睡眠時間を削って働いた経験があるので、事情は十二分に想像できるのですが、考えていただきたいことがあります。

その生活を5年続けたときに、身体はどうなるだろうか?

仕事で達成して得るものと、健康を損なうかもしれないことは、見合うものだろうか?

健康について1つ言うと、「損なった機能は回復しないかもしれない」現実があります。例えば、僕は緑内障(原因はおそらくストレス過多)を患っているのですが、一度失った機能は元には戻りません。これ以上の進行を止めるというのが治療の目的です。

すべての疾患がそうだとは言えませんが、どんな疾患が襲ってくるのかはくじ引きに当たるようなものです。

「あの時、ああしておけば良かった」では取り戻せないものが残るかもしれない、ことは知っておいていただきたいです。

何を運動するかよりも大事な運動頻度という真実

現代は、運動しようと決意さえすれば、いろいろな選択肢があります。何を選ぶか迷うところですが、最も大事なのは何を選んだとしても、週1くらいのペースで続けることの方が大事だということです。

ピラティスは、マシンを使うものがあるとはいえ、自分の身体を動かすことに意識を集中するエクササイズです。なので、自分の身体の状態を知るのに適しています。身体のしくみを知って、身体の使い方を学び、定期的に動かすことに意味があります。

定期的に動かすからこそ、ピラティスの良さが分かると言い換えることもできます。

 

参考文献

アレックス・ハッチンソン(2012)、『良いトレーニング、無駄なトレーニング』草思社、児島修訳。

 

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