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コラムcolumn

ピラティスと健康と人生
vol.36 / 2016.08.25 Nahoko

「意識・気づき」の大切さ~ ピラティスの10の原則その1「Awareness」

ピラティスには、大事な「原則(principles)」があるのをご存知でしょうか?

流派・団体によって原則の数は異なるようなのですが、私たちOlaピラティススタジオのインストラクターが資格を取得したBASIでは、「10の原則」とされています。

原則とは指針という意味で、指針となる10の要素を満たすように行うからこそ「ピラティス」なのです。

原則を無視して行ったらそれはピラティスではなく、ピラティスが本来目指すものや真の効果といった「ピラティスの本質」にたどりつくことはできません。

10の原則は毎回のピラティスになくてはならないもので、常に心の中にあり、身体の隅々まで伝えていくもの。

ピラティスの奥深さ、ピラティスが単なる動きのパターンを習得したりどこかを鍛えたりするだけのものではない所以は、10の原則にあると思っています。

  
その10の原則がこちらです。

1) Awareness(意識、気づき)
2) Breath(呼吸)
3) Balance(バランス)
4) Concentration(集中)
5) Center(中心)
6) Control(コントロール)
7) Efficiency(効率性)
8) Flow(流れ)
9) Precision(正確であること)
10) Harmony(調和)

このリストは、「Awareness(意識、気づき)」に始まって「Harmony(調和)」で終わっているのですが、ピラティスを長くやっていると、ピラティスというものは本当に「意識から始まるからこそ調和に到達するのだ」と強く感じます。

ピラティスを創ったピラティス氏が目指したのは、「身体、こころ、精神状態(Body, Mind and Sprit)」の調和です。

こころ(Mind)というのは「頭を使う・考える・意識する・集中する」という意味合いなのですが、頭で考えて身体を動かすと「こころと身体」がつながり、こころと身体がつながるとそこに「生き方・考え方・気持ち・心持ち」といった「スピリット・精神」の変化・成長が生まれてくるんですね。

この「Mind」の部分を最もよく表しているのが、10の原則の最初の要素である「Awareness」です。

  
Awarenessという言葉を手元の辞書で引いてみると、「気付いて(自覚して)いること、意識、目覚め、覚醒、認知(認識)」といった訳が出てきます。

以前、10の原則のひとつである「Control」(コントロールする・操作する・制御する)についてブログを書いたときに、「何をコントロールするの?」という内容を解説しましたが、この「何を?」の部分を認識することが「Awareness」です。

「Awareness」には様々あって、たとえば

・今動かしたい・使いたいのは、どの筋肉?どの骨?どの関節?
・力が入っている場所はどこで、力が抜けているのはどこ?
・安定している場所はどこ?動いているのはどこ?

といった動きに関わる「意識・認識・気づき」もあれば、

・今自分はどんな温度の環境で、周りはどうなっていているか?
・心地よいか?不快に感じるか?
・何が変化したか?何を発見したか?
・集中しているか?
・そもそも今ここに何をしに来たのか?

といった自分の身体やこころの状態に関する「意識・認識・気づき」もありますね。

Awarenessとは、ここで挙げたものだけに限らず、「自分が感じるもの全てに対する意識・気づき・認識」 であり、脳や感覚をフルに動員して「自分」と向き合っている状態 なのだと思います。

  
スピードの速い社会でストレスを抱えて生きている現代の私たちは、仕事や家事・育児など日常生活を生きることに精一杯で、ともすると自分自身のこころや身体に目を向ける瞬間を失いがちです。

結果、身体が発しているSOSの声に気づかなかったり、こころが壊れてしまったり、精神状態のバランスを崩してしまったり、という現象が起きます。

病気や痛みが表面化してから初めて、自分がどんなに頑張り過ぎていたのか、無理をしていたのか、ストレスに耐えていたのかに気づきます。

私は20代で環境の変化から「うつ」になり、同時にぜんそくやアレルギーなどの体調不良も抱えながら、会社員を続けていました。

でも、過労で倒れるほどに仕事にのめりこんでしまい、30代に入ったころには体調不良のデパート状態になっていました。

当時の私は、体調の悪さに深く悩んではいたのですが、仕事に没頭して評価されることで気持ちを満たし、自分はうまくいっていると思い込もうとしていた気がします。

けれども、こころの弱さや不安定さは次第に隠せなくなり、心身ともに元気になれない自分が心底嫌になって初めて、このままではまずいんじゃないか?自分の人生はこれでいいのか?と真剣に思いました。

何とかしなくてはという思いで始めたのがピラティスでしたが、ピラティスをすることで、自分がいつしか「身体とこころのバランス」を崩してしまっていたことに気づきました。

気づいたことで、再び「身体とこころ・精神状態の調和」を取り戻すことができました。

そして自分の身体やこころの状態に常に敏感に目を向けるようになり、頑張り過ぎたり無理をしすぎたりしないように気を付けるようにもなりました。

  
身体はこころの乗り物であり、こころの器です。

身体の調子が悪く問題を抱えていたら、その中に入っているこころ・気持ちは健康でいられるでしょうか?

ピラティスは単なる筋トレではなく、「身体を通して自分のこころに働きかけていく」という「ボディワーク」のひとつです。

身体を動かしながら、こころ・意識を働かせ、たくさんのことに気づき、発見し、次第にこころと身体がつながって調和していくのがボディワークとしてのピラティスの意義です。

私たちピラティス指導者の役割は、単に動きの説明をするのではなく、また機能回復というリハビリ効果のみを目的にするのではなく、意識や気づきを引き出し、ご自分への理解につなげるお手伝いをすることなのだ、と私は思っています。

  

ピラティスの10の原則、まず1つ目にくる「Awareness」。

ご自分の身体に、ぜひ意識と気づきを持ってみてくださいね!

(Nahoko)

芽吹き

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