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コラムcolumn

ピラティスを自分で行うために
vol.10 / 2016.11.02 Nahoko

『できない理由』 は何のせい?

「あの動きがどうしてもうまくできない・あれがすごく苦手」

ピラティスをやっていて、こんな風に感じたことはありませんか?

特にマットピラティスのエクササイズに多いかもしれません。

マットピラティスは基本的にツールを使わず自分の身体ひとつで行うものなので、身体の状態や使い方が如実に反映され、できないとなったらもうとにかくできない、何度やってもできない・攻略法がわからない、というループに陥りがちです。

そして、教えているインストラクターから

「あなたは〇〇の筋力が弱いから、身体が硬いから、柔軟性がないから

と言われてしまう。

「もっと勉強すれば、もっと練習すれば、もっとたくさんレッスンを受ければできるようになるよ」

と言われるケースもあるかもしれません。

でもね、

『できない理由』は、本当にその人の身体に原因があるの?練習量が足りないからなの?

私は、違うと思っています。

できない理由で最も大きいのは、シンプルに 「やり方のコツを知らないから」です。

子どもの頃にやらされた、でんぐり返しや逆上がり、跳び箱などのことを思い出してみるとわかります。

運動が苦手な子でも、筋力や柔軟性が足りなくても、ちょっとしたコツを教えてもらうと難なくできたりするし、練習は量の問題ではなくコツを意識した練習のしかたを工夫することで着実に成功に近づいていきます。

ここでちょっと脱線して、これはインストラクター視点から見た話なのですが…

コツをわかりやすく教えられないのは指導者側のスキル不足なのであって、生徒側の身体の特徴や練習量のせいにするのは単なる言い訳だ、と私は感じています。

指導者側が、どんなタイプの生徒にもコツをわかりやすく教える引き出しをどれだけ持っているか。その引き出しを増やすことが指導者としての「道」に他ならないと思うのです。

指導者のスキルアップを考えるとき、知識を学ぶ場をとにかく増やして「インプットすること」をひたすら頑張る人も多いと思うのですが、「伝え方・わかりやすい教え方」という実践力、いわば「アウトプットする力」を向上させなければ、生徒は「できるように」ならないし、結果として生徒の変化や成長が遅くなってしまいます。

大体において、アスリートやダンサーではない一般の方を対象にして運動を教えるときに「身体の基礎知識があり専門用語を知っていて、身体感覚に優れていて、指示を出されたら一発ですぐできるようになる人」なんてほとんどいません。

運動初心者ににわかりやすく伝えるスキルを磨いておかなかったら、「あの先生は(またはあの運動は)、難しくてわかりにくい。またやりたいとは思わない」と敬遠されて終わります。

運動だけでなく勉強でも同じですが、「優れた指導者」とは生徒に理解させる力が高い人のことで、生徒に楽しませ、もっとやりたい・もっと深めたいという気持ちを起こさせる人のことです。生徒の頭脳レベルや理解力・習熟度に合わせた教え方を工夫できる人でもあります。

ピラティスに限らず、運動やボディワークを指導する人の多くはきっと、「こんなにいいものをもっと多くの人に楽しんでほしい・世に普及させて愛好家を増やしたい」と思っているはず。

しかし本当にそう思うのなら尚更、知識のインプットに励むばかりではなく同時に「アウトプットする力」をしっかりと向上させておくべきだと思うのです。せっかく取得した資格や肩書は、相手に伝わらなかったら宝の持ち腐れなのだから。

………と、脱線しすぎてしまいました。この話はまた今度にして元の話題に戻ります!

ちなみに、「コツ」って様々な要素と段階があります。

たとえば、筋力が足りないと言われた生徒さんが陥りやすい誤解は、単に筋肉に力を入れればいい・鍛えて強化すればいいと思ってしまうこと。

しかし、「力」や筋肉の使い方にはいろいろあって、力加減や力の方向性、力を入れるタイミング、入れた力をどう活かしたいのかを間違うと成功にはつながりません。

力み過ぎて身体を固めてしまい、動きたいはずなのに動きを阻害してしまって余計やりにくくなったとしたら本末転倒です。筋肉を闇雲に強化したとしても、うまく使えなければ同じこと。大事なのは、使い方のコツを知って正しく育てていくことです。

また、やりたい動きによっては、ひとつの部位だけでなく複数の部位の使い方のコツを「同時に・または段階的に」組み合わせていく必要があったりもします。

そうなると、できない原因を正確に理解することが大切。そもそもどこでつまずいているのか、何がうまくいっていないのか、問題構造を分解して把握し、コツをひとつずつつかむように練習していくことが克服への道のりです。

子どもの頃から運動が嫌いだったり、大人になるうちに長く運動から遠ざかっていたりすると、コツをすぐにつかむことができないのでとても難しく感じます。コツには要素と段階があるだけに、なかなか「これか!」というところにたどり着けないこともあるかもしれません。

でも、一度できるようになると「できた!」という喜びがあります。そして思わず「なーんだ、こんなに簡単だったのか!」と驚きます。

ひとつコツがわかれば、感覚はどんどんつながり、発達します。コツを応用して、どんどん新しいものや高いレベルのものも攻略できるようになっていきます。

ピラティスは傷病兵のリハビリが起源なので機能回復の側面が強調されることも多いのですが、ピラティス氏の著書を読めば、ピラティスという運動を『機能的・効率的な身体の使い方を学んでいくためのもの』として普及させるのを目指していたことがわかります。(※学んでいった先に「身体とこころ・精神の調和」や「心身の健康」があるわけですが)

機能的・効率的な身体の使い方とは、まさに「コツ」のことです。日常動作から運動にいたるまで、全てにおいて動き方のコツを知り、何歳になっても身体を安全に・自由に動かせる能力を高めていくものです。

筋力や柔軟性といった部分は向上させるためにやるべきことが明確に存在しますし、正しい方法でやっていればそのうち向上します。それよりも、ちょっとした「コツ」をたくさんつかんで、どんどん攻略して、どんどん上達していってください。

私が日々のピラティスレッスンで常にテーマにしていることは、

「大人の逆上がり」。

子どもの頃に逆上がりができなくて運動に対する苦手意識を持ってしまった人は多いかと思います。

でも、コツさえわかれば逆上がりは簡単なんですよ!という素晴らしい解説ページと出会いました。美しすぎる見本を見せてくれるのは、あの体操のスペシャリスト、内村航平選手です!

【動画へのリンク】★ 金メダリストが優しく解説 内村航平選手直伝! 正しい逆上がりの教え方 ★
(※動画の公開は終了したようです。)

このページが本当に素晴らしくて、コツを要素と段階に分解し、練習方法を教えてくれるんです。見ているうちに、40代の自分でもできるんじゃないか?今すぐ鉄棒をやってみたい!という気持ちにさせられるんですよね。指導者目線でもとても勉強になるので、必見!です。

逆上がりのような「苦手な動き・できない動き」のコツを大人のみなさんにわかりやすく解説して、たくさん攻略してもらって、

楽しい!もっと身体を動かしたい!もっとすごいことをやってみたい!

という気持ちになっていただくこと。

それが私のモットーです。

 

「できない理由」はあなたのせいではありません。

弱いから・硬いから・運動神経が鈍いから・定期的に運動できないからとあきらめずに、コツを知って一歩一歩上達する楽しさを味わっちゃいましょう!

(Nahoko)

逆上がり

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