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コラムcolumn

ピラティスと健康と人生
vol.41 / 2016.11.06 Nahoko

目標を定めないことが、長く続ける秘訣

11月に入り、2016年ももう終わりに近づいているのか!と恐れおののいている今日この頃ですが、年の瀬や年明けになると必ず話題になるのは 「目標」 ですね。

今年の目標は何だったっけ?と振り返ってみてください。

達成できたのか、それともすっかり忘れていた(!)のか。もしかしたら、やろうとして取り組んでみたけど途中であきらめた・続かなかったケースもあるかもしれません。

  
多くの人が毎年目標に掲げるのが、「運動」です。

ピラティスという運動の施設を経営していて、運動をやらなくちゃと思った理由としてよく聞く話は、こんな感じ。

・若いころよりも太ってきた・たるんできたので引き締めたい
・体力や筋力が落ちて、日常生活に支障を感じるようになった
・健康診断で数値が悪かった
・内科や整形外科・整体などの治療院に行ったら運動不足を指摘された

つまり、運動しよう!という目標の裏にある実際の目標は、「ダイエット」や「健康づくり」であるということですね。

  
運動しようと思い立つと、多くの人は施設に体験しに行き、その場で入会してコースを決めるなどして、最初は意欲的に運動に取り組み始めます。

ダイエットや健康づくりという目的があるので、どれぐらい通ったら結果が出るのか、〇kg痩せるにはどれぐらいの期間が必要かという積極的な質問もするかもしれません。

  
しかし、その意欲や積極性が長続きしない。

施設でやっている運動が好きになれない、施設の雰囲気や方向性・客層が合わない、はたまたインストラクターと気が合わない・好きになれないなどの理由はもちろんあると思います。そのために大概はどこでも体験する機会を設けてあるので、うまく利用して見極めることはとても大切です。

  
一方で、とても多いのは

「やるつもりだったし何が不満なわけでもないんだけど、途中で挫折した・なんとなく続かなくなった・一度休んだら再開できなくなった」

というケース。

やれば変わるってわかっているのに、うまくできないし結局は面倒くさい。これは施設に通う場合の話だけでなく、ランニングやスクワットのようなセルフトレーニングや食事管理なども同様です。

ダイエットや健康づくりのために選んだ手段、運動や食事管理を長く続けられない、という方はとても多いですね。なので、短期間に結果を出す!という本がいつも流行っているし、結果が出ていない人が世の中にあふれてしまっているわけですが。

  
さて、運動は施設に通うにしても自分でやるにしても、続けていればちゃんと結果が出るもの。

習慣的に長く続けていれば着実に引き締まり、姿勢も良くなり、慢性痛が減り、体調が改善し、体力がついて活動的になっていきます。健康診断の数値がハッキリ改善したり、周囲の人も変化に気づいてくれたりもして、「ダイエット」と「健康づくり」という目標は達成です。

  
運動指導を仕事にしながら、こういった「運動習慣を作れた人・運動が続く人」「目標を達成できた人」の秘訣って何だろう?とよく考えます。

   
かく言う私自身も、実際にその「運動習慣を作れた人」のひとり。

34歳でピラティスに出会うまでは、何をやっても続きませんでした。意を決して運動しよう!と思い立って何度挫折したかわかりません。

体調不良は深刻で、30代になって太ってきたので引き締めたいという思いもあったのに、施設に入会しても行かないので月会費は無駄にする、週1で走ろうと思い立ってもすぐやめてしまう。

既に運動習慣を持っていた夫から一緒にやろうと誘われたのですが、言い訳をしてはサボってばかり。できない理由・やれない理由を探すのは大得意でした。

しかし今では、日常的な習慣としてピラティスを始めとしたいろいろな運動やストレッチをするようになりました。40代に突入しましたが34歳当時よりも引き締まり、持病も慢性痛も克服し、風邪も滅多に引かない健康体。「ダイエットと健康づくり」という目標は既に達成しています。

  
何故ピラティスは続いたのか?運動を習慣にできたのか?目標を達成できたのか?

私の場合、実は最初から戦略的にプランを立てて取り組んできた結果です。

  
長く続けられている秘訣はズバリ、

「具体的な目標を決めなかったから」

  
目標を達成するには目標がない方がいい、と言うと、なんだか矛盾して聞こえる話なのですが。

  
私を含めて多くの人が運動の目的に挙げる「ダイエットと健康づくり」というのは、具体的な状態としてはとても漠然として、ぼんやりしています。

何kg痩せたら終わりなのか、どうなったら健康と呼べるのか?

痛みがなくなることなのか、血液検査の数値なのか、ウエストのサイズなのか、あの洋服が着られることなのか、それとも周囲に褒められることなのか。

よく何ヶ月で何kg・何cmという具体的な数字を掲げる人も多いですが、その数字に到達したらゴールなの?と考えてみるとそうではないんですよね。

  
「ダイエットと健康づくり」という目標の落とし穴は、

「一度到達してからその先もずっと 維持しなくてはいけない もの」

ということ。つまり、終わりがない・ゴールがない。

短期間に変わってそこで終わり、あとは元の生活をする、という意味ではないんです。一時期だけの努力ではなく、この先も毎日、人生の残りは全てそういう生活をしていくことが「ダイエットと健康づくり」です。ここを理解していないと、一度結果を出したように見えてもリバウンドしてしまいます。

習慣にさえなってしまえば、遅かれ早かれいずれは痩せるし健康になっていき、容易に維持していけるはず。

だとすると、真の目標は「痩せる・健康になる」ではなく、

「毎日でも続けられる習慣を作ること」

になります。

  
習慣を作るにはコツがあります。

たとえば、好き・心地よいというポジティブな感情につながるものであること、毎日やるために身体的・精神的な労力があまり必要でないことはとても重要ですし、サボってしまった・できなかったときの気持ちの持ち方や代替プランを用意しておくことも大切。

習慣作りの方法はまた別な機会にご紹介するとして、方法さえ知っていれば習慣づくりは割と簡単に達成できます。

   
34歳のとき、今度こそ本当に運動しようと思い立った私は、「ダイエットも健康づくりも明確なゴールがない」と気づきました。ゴールがないということは、楽しく無理なく一生続けられなくてはいけません。

続けていればだんだん痩せていくだろうし、健康にもなる。それならば、最終目的地をあえてこれと決めずに、「ただ好きだから・やらずには落ち着かないから」という状態に自分を持っていって、ただ続けられるようになればいい。そう考えて、続けるための工夫を様々やってみたことが私の戦略でした。

続けていれば時々痩せた・引き締まったと褒められることもあるし、我ながら最近健康になってきたなとつくづく感じたこともありますが、それをゴールだと思って終わりにしてはいません。まだまだ人生先は長く、加齢現象の本番はこれからなので、今後も健康を維持していきたいからです。

  
最終的にどこに到達したいのかという「旅の目的地」はありません。

それよりも、楽しく飽きずにやっているかどうかという、いわば「旅の途中の過程」が私の目的です。

  
なので、時々体調を崩したとしても、多少体重が増えても、健康診断で引っかかっても、たまにやりたくない気分でサボってしまったとしても、失敗した・挫折したとは捉えていません。

瞬間風速的な状態に気持ちを揺さぶられずに、平均値が良い状態を長期的な目線で作っていければそれでいいと思っています。その方がきっと、確実に結果が出ます。

   
ゆるーい気持ちで、ただ楽しいから、手軽にできるから、やらないと気が済まないハミガキのような日常習慣のひとつだから、と思ってやる方が、運動は長続きします。

運動習慣は人生の終着点まで続く長~い旅なので、途中には時々「ビキニが着たい」とか「フルマラソンの大会に出る」といった刺激的な楽しみがあるのももちろんいいと思います。「来月の人間ドックまでに2kg落とそう!」というような単発系・短期集中型の目標が入るのも良いかもしれません。

旅の過程で、小さな目標や新しい目標がどんどんできてどんどん変わっていくことも、意欲的に長く旅を続けるコツだと思います。

   
今度こそ痩せたい、健康になりたい、運動しなくちゃ!と思ったら、目標を具体的に定めないで、ただ長続きさせることを考えてみてください。

運動だけでなく、食事管理も同じです。

旅の目的地を決めずに、旅の過程を楽しむのが続ける秘訣。

オススメです!

(Nahoko)
  
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