それでも生きて行くために、ピラティスに何ができるのか
Nahokoです。
生きていると、いろんな「病」に苦しむときがありますよね。
整形外科的な疾患をはじめ、内科や婦人科などの疾患、時には精神科の領域などなど…
また、現在はコロナに感染してしまったという方もたくさんいらっしゃいます。
毎日たくさんのお客様にお会いして、さまざまな「病」やその後遺症と戦う困難、苦しみ、不安などについてお話を聞いています。
経過観察中の方、手術をするかどうかお悩みの方、いつ治るのか・完治するのかといった見通しが立たない方…
痛みや不安を抱えて生きる日々の苦しみを思うと、話を聞いていても胸が痛いことばかりです。
私自身も整形外科と心療内科の分野で抱えている問題があるので、とても他人事とは思えません。
ただ、自分自身に対しても、お客様に対しても、ひとつだけ強く思っていることがあります。
どんな病を抱えていたとしても、私たちはそれでも生きて行かなくてはいけない。
明日も、あさっても、これからも。
病に苦しんでいると、「これはいつ治るのか?」「どうしたら治るのか?」と考えがちになります。
でも、病が絶対に治るかどうかは誰にもわからず、もしかしたら治らないかもしれません。
同じように、自分の命がどんな形で終わるのかは、誰にもわかりません。
病を抱えていたとしても、命が終わる「その日」までは生きて行かなくてはいけません。
だとしたら、
この先の日常生活を、どんな「質」のものにしたいのか?
それを真剣に考えていかなくてはいけないと思うのです。
日常生活の「質」を決める要因のひとつは、どれぐらい身体を自由に動かせるのかという視点です。
身体が動かせなくなったら、仕事も家事も育児も困難を伴ってしまうし、趣味を楽しむことも難しくなります。
病を抱えていても日常生活動作を維持していくためには、ピラティスを用いたトレーニングがとても役立ちます。
痛いところや動かしにくいところがあるときほど、「ではどうやって効率的で痛みの少ない動作を実現していくのか」を学ぶことが大切です。
痛みをかばった身体の使い方はどこかに無理が生じるため、次第に患部以外の箇所に副次的な問題が生じるケースも多いです。
「動かすのが怖い」という恐怖心を乗り越えるには、もちろん私たちインストラクターも様々なサポートを提供するのですが、ご本人が「これなら怖くない・動かしても大丈夫」という自信を持てるようになっていくプロセスが必要です。
自分自身の身体や心と向き合い、どうしたら良い動作ができるのか、自分自身で探っていくのがピラティスです。
病があろうとなかろうと、私たちはそれでも生きて行かなくてはいけないから。
日常生活をあきらめないために、ピラティスを活用してほしい。
ピラティスは「病を直接的に治すもの」ではありませんが、病を抱える人が日常生活を取り戻し、この先も生きて行くために役立つ要素がたくさんあります。
いろんな苦しみを抱えるお客様のために、ピラティスにできることをこれからもたくさん提供していこう、と私は思っています。